なになに暮らし

昭和アレコレ、生き物のフシギ、日々のギモンを綴っています。

なになに暮らし
Pocket
LINEで送る

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

2018年11月28日 [ 寄生虫 操る ]
Pocket
LINEで送る

息子が学校帰りに

ちびっこカマキリを拾ってきた。

虫カゴが見当たらなかったので、

とりあえずカーテンにくってけて放置。

 

数日間、じっとしているカマキリ。

意外と動かないもんだな、と眺めていると、

いきなりウンコしだした。

お尻から黒いものを出している。

結構たくさんするんだな、と思って見ていたら

ウンコがくねくね動いてる。

 

ん?

 

カマキリのお尻から

黒い物体がみるみるでてきて

ポトッと床に落ち、クネクネクネクネ

 

え~~~~~~

大変大変、なんだコレ!

 

早速ネットで調べてみると、

ハリガネムシとやららしく、

けっこう世間の常識らしい。

四十数年間生きてきて、衝撃の事実!

 

と、まあ十数年前の話なのですが、

改めてハリガネムシのことをまとめてみました。

 

とても奥の深い寄生虫ハリガネムシの世界を、

どうぞお楽しみください。

 

スポンサーリンク

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

生物は、

生まれて成長し、大人になって交尾をし、

また子どもが生まれることで種をつないでいく、

というライフサイクルを繰り返していきます。

それは寄生虫も同じです。

ここでは寄生虫の代表格であるハリガネムシの

オスとメスの出会いから話を始めましょう。

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

コワイ光景その1
ハリガネムシの産卵

ハリガネムシの成虫は川などの水中にいます。

クネクネと泳ぎながら

オスとメスが出会うと、オスは精包を放出します。

 

するとメスの体の先端がパカっと開いて

この精子を吸い込んで受精するのです。

なんともコワイ光景です!

そしてメスは糸くずみたいな受精卵の塊(卵塊)

を産みます。

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

コワイ光景その2
ハリガネムシの赤ちゃん

ハリガネムシの赤ちゃんは、

水中の有機物を食べながら

卵塊の中で芋虫のような形に成長していき、

水中を漂ううちに、

一部は水中昆虫に食べられます

 

水中昆虫の体内に取り込まれたハリガネムシは

消化されて死んでしまうのでしょうか?

 

いえいえ、

ハリガネムシの赤ちゃんは

体の先端にノコギリのようなものを持っています。

そのノコギリで

水中昆虫の腸をズタズタと切り進んでいきます

またまた、コワイ光景です。

 

そこで体をクルクルっと丸めて体の周りに殻を作り

シスト」という状態になって

休眠状態に入ります。

これってマイナス30℃になっても死にません

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

宿主の体内で成長するハリガネムシ

ハリガネムシを体内に宿した、

つまりハリガネムシにとって、

初めての「宿主」となった

水中昆虫のカゲロウやユスリカは、

成長すると陸に飛んで行ってそこで死にます。

すると

コオロギカマキリカマドウマなどが

その死骸を食べに来ます。

ハリガネムシが体内で休眠している死骸を

食べた虫たちは、

ハリガネムシにとっての次の宿主になります。

次なる宿主の体内に無事はいりこんだ

ハリガネムシの赤ちゃんは

宿主が食べた食物をお腹の中で横取りしながら

すくすくと成長していきます。

そして2~3カ月かけて、

30~40cmにまで成長します。

 

大人になったハリガネムシは、

また水中にもどって産卵したいわけです。

 

そのためには宿主に

水中に入ってもらわなければなりません。

そこでハリガネムシが起こす行動とは!

 

スポンサーリンク

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

コワイ光景その3
水中に戻るために

ハリガネムシは

宿主の脳にタンパク質を注入して脳を操り

宿主が水中に入るように仕向けるのです。

 

宿主が水に入ったとたん、

ハリガネムシはクネクネとお尻から出てきます。

もろ、コワイ光景です。

そしてハリガネムシは

再び水中を漂いながらお相手を見つける、

という、最初の段階に戻るわけです。

つまり、生活史を一巡りしたのです。

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

宿主が水に飛び込む仕組み

フランスの研究者によると、

宿主が水中に飛び込む理由として、

キラキラと光を反射する水面に

反応しているらしい、

ということが分かってきました。

 

つまりハリガネムシは、

宿主の精神発達を異常にすることで、

光に対して通常とは異なる反応をさせ

加えて水に飛び込ませる

という脳の操作をしていると思われるのです。

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

宿主の死に意味はあるのか

水中に飛び込んだ宿主たちは

その後どうなるのでしょうか?

脳を操られ、無駄死してしまうのでしょうか?

 

いえいえ、彼らは、

川の魚によって食べられます。

死んでしまう事に変わりはありませんが、

自然の生態系の中で大きな貢献しているのです。

水に飛び込んだ宿主たちは

そこに生息する魚たちのエサになります。

 

神戸大学の佐藤先生の研究によると、

水辺に生息する魚たちは

宿主であるカマドウマなどの昆虫を

食物として摂取しますが、

その昆虫たちは、

魚の栄養分の6割を占めていることが

分かっています。

 

通常では水に入ることのない陸の虫を

ハリガネムシが水中に飛び込ませることで、

水中生物の栄養分が確保されているのです。

 

つまり、

ハリガネムシという寄生虫のおかげで

通常では交わることのない「陸と水中」、

自然界でいえば「森と川」を交えて

エネルギーが循環しているといえます。

その結果、

限定環境下で強い生物だけが増えたり、

偏った植物が繁殖したりということなく、

生態系全体のバランスが保たれ

森の豊かさやが保たれている

といえるのです。

 

スポンサーリンク

 

虫の脳を操り水中へ引き込む寄生虫、ハリガネムシはなぜ存在するのか

まとめ

なんとも受け入れがたい動きと形状の

ハリガネムシではありますが、

彼らはライフサイクルを通し、

生態系では重要な役割を担っていることが

わかりました。

 

恐るべし、ハリガネムシ!

 

しかし、寄生虫は

ハリガネムシだけではないですよね。

なんと生き物の半分近くが寄生虫だという

説もあります。

 

考えると気分悪くなりそうですが、

キモコワイからこそ興味深い生き物です。

 

寄生虫のこと、

もっと知りたくなってきませんか。

 

参考文献 NATIONAL GEOGRAPHIC

 

こちらの記事も興味深いですよ。

ネコの寄生虫が人間の脳までもコントロールする トキソプラズマの恐怖

 

Pocket
LINEで送る


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です