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世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

2018年12月06日 [ ミノムシ 強度 ]
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子どもの頃は

葉っぱが落ちて裸になった枯れ枝に

よくミノムシがくっついていましたね。

寒さをひたすらじっと耐えている姿は、

いじらしくもありました。

 

ミノの中って少しはあったかいのかなぁ?

なんて思っていたのも遠い昔の話。

大人になってからは、ミノムシのことなど

気にもかけなくなっていたし、

あまり見かけることもなくなりました。

 

ところが今まさに、

注目を浴びようとしているミノムシ。

 

ミノムシの糸から

世界最強の工業原料を作る技術が

開発されたのです。

これから引っ張りだこになること

請け合いです!

 

そこで久々にミノムシのことを思い出して、

蓑に包まれたミノムシの不思議を

まとめてみました。

 

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世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

ミノムシとは何者?

葉っぱや小枝を纏った独特の形状の蓑。

その蓑を作り、

その中で暮らしているミノムシって

いったい何者なのでしょうか?

 

ミノムシとは、

蛾の一種、オオミノガの幼虫です。

 

昔の人々は

蓑と呼ばれる、ワラなどでつくった雨具を

着ていましたが、

それに形状が似ていることから

ミノムシと名付けられました。

 

ミノムシは葉っぱや枝などで蓑を覆い、

木の枝になりきって

鳥に見つからないように、

食べられないようにしているのです。

 

でもミノムシは、

葉っぱや枝などに限らず、

色んなものでミノを作ります。

刻んだ色紙や毛糸くずと一緒に

ミノムシを置いておくと、

カラフルでかわいい蓑を作り上げます。


出典 https://twitter.com/alcoholic_love/status

 

ほかにも

こんな芸術的建築物を造り上げるツワモノも!


出典 https://www.mirainoshitenclassic.com

 

世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

ミノムシの中にいるのは誰?

ミノの中には、芋虫のような形状の

オオミノガの幼虫が暮らしていて、

成虫になると蛾になって飛び立っていきます。

 

ここで飛び立っていくのはオスだけです。

オスは成虫になると

羽のある一般的な蛾の姿になり

メスを求めて自由に飛び回ります。

 

ところがメスは、

成虫になっても形状は芋虫のままです。

羽も脚も目もなく、

一生ミノから出ることはありません。

 

侘しい人生のような気もしますが、

敵に襲われる心配もないので、

ある意味、恵まれた人生なのかもしれません。

 

なので、ミノの中に住んでいるのは、

オオミノガの幼虫、またはメス

ということになりますね。

 

世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

ミノムシのオスは食事できない!

ミノムシのオスの成虫には口がないので

エサを摂ることができません。

なのでオスは成虫になると

一瞬、空を自由に飛んだ後は

急いでメスと交尾をして、

すぐに死んでしまいます。


出典 https://www.nishinippon.co.jp

 

オスは種を残すためだけに生まれてくる

命なのですね。

 

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世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

ミノムシの婚活、産卵、終命、そして次の命へ

オオミノガのメスは成虫になると、

ミノからちょっとだけ頭を出して、

フェロモンを出してオスを誘います。

 

飛び回っているオスは、

何百メートルも離れたところでも

その臭いを嗅ぎ取ってやって交尾をします。

するとメスはその場で何百個も産卵し、

その後ミノから落ちて死んでしまいます。

 

子どもの頃、

よく木の下にコロコロと落ちていたアイツ、

地面からうっかり出てきてしまった

地中界生物だと思っていたけど、

あの大型芋虫は

ミノムシのメスだったのですね。


出典 https://shinnaturalism.com

今更ながら、ちょっとスッキリ!

 

ミノの中に産みつけられ孵化した子どもたちは

外に出ていきます。

小枝や葉の表皮をかじり取りながら、

それを糸でくっつけてミノを作ります。

 

成長と共に体が大きくなり

ミノが狭くなってくると

ミノを大きく作り直しながら

成長していきます。

 

世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

激減して絶滅危惧種になっているミノムシ

実は今から30年程前に、

オオミノガは激減しました。

ミノムシのみに寄生する

オオミノガヤドリバエというハエが

中国から渡来してきたため、

多くのミノムシが寄生されて死に

数が減ってしまったのです。

 

世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

ミノムシは今まさに注目の的

人知れず絶滅危惧種に指定されるほど

少なくなってしまっていたミノムシ。

しかし今、

ミノムシの糸が強く丈夫な新しい素材として

注目されているのです。

 

糸と言えば、

カイコやクモが思い浮かびますが、

かれらは皆、

タンパク質でできた糸を口から吐きます。

その中でもクモの糸はかなり丈夫だと

今までは言われてきました。

 

ところが興和(名古屋市)と

農業・食品産業技術総合研究機構

(茨城県つくば市)の研究により

ミノムシの糸はクモの糸に比べて

約2.2倍丈夫で、約1.8倍の強度がある事が

解りました。

 

そこでミノムシの糸を

繊維強化プラスチック(FRP)に

組み込んだところ、

従来のものより数倍の強度になったのです。

他にも耐熱性や、細さにも優位性があり

工業製品の原材料として

これまでに存在していない理想的な構造材料

と期待を集めています。

 

やがてミノムシの糸を組み込んだ素材で

車体や防弾チョッキなどが

作られるようになるのでしょう。

 

そういえば、ミノムシのミノって

周りは葉っぱを軽く纏っている感じで

フワフワっとしてたけど、

つまんで触ってみると

奥の繭の部分はなかなか硬かった

記憶があります。

まさに防弾チョッキ、ですね。

 

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世界的強度の糸を紡ぐミノムシ! 今や絶滅危惧種ミノムシの不思議な生態

まとめ

素晴らしい可能性を秘めたミノムシの糸、

一気に注目されるのは喜ばしいことですが、

ますます数が減ってしまうのではないか、

と心配になってしまいますね。

 

でもご安心ください。

すでに、

ミノムシの人工繁殖方法や大量飼育方法も

確立されているようです。

 

まあそれは人間の都合なのですが、

 

これをキッカケに、いつの日かまた

冬の風物詩としてのミノムシが、

近所の公園でも

見られるようになればうれしいです。

 

 

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