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季節を愛でる日本の伝統色より、秋を彩る実りと紅葉にまつわる5つの色

2018年10月23日 [ 伝統色 季節 日本 ]
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天高く、馬肥ゆる秋

 

秋はたくさんの果実が実り、

山々は緑から黄色、赤へと色を変え、

私たちの目を楽しませてくれます。

 

抜けるような青空と冴えわたる五感に

感覚が研ぎ澄まされますね。

 

一方で秋は、

寂しいような切ないような、

センチメンタルな気持ちに

なってしまうのはなぜでしょうか。

 

私たち日本人は、

他民族とは異なる繊細な感受性をもち

それは日常生活で心地よく感じる

色使いにも表れています。

 

昔々から生活の中に息づきながら

大切に受け継がれてきた日本特有の伝統色。

 

今回は、

秋を彩る伝統色についてご紹介していきます。

秋の一日、

太古の昔の人々の暮らしに

思いをはせてみませんか。

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季節を愛でる日本の伝統色より、秋を彩る実りと紅葉にまつわる5つの色

栗皮色(栗皮茶)

秋の趣を味わう、といえば、

まず思い浮かぶのが栗ではないでしょうか。

イガイガを割るとのぞき見える栗の皮。

光沢のある濃い茶色は

漆器の塗りを思わせる美しさがあります。

 

昔の人々は、

自然の美しさを生活に取り入れてきましたが、

栗皮色もそのひとつですね。

 

栗皮色」とは、黒みがかった赤褐色で、

栗皮茶」(くりかわちゃ)とも呼ばれ、

呼んで字のごとく、

栗の皮の色からこの色名がついています。

 

江戸時代の風俗誌によると、栗皮色は

女帯によく使われていたようです。

しかしその色、

現代のように合成着色料などない時代に、

どのようにして染めていたのでしょうか。

 

染色法は諸説ありますが、

栗の樹皮と灰汁を使って茶に染める

栗皮染」という染め方で

染められていたといわれています。

 

季節を愛でる日本の伝統色より、秋を彩る実りと紅葉にまつわる5つの色

柿色

柿もまた、

秋を味わう風物詩のひとつですね。

一般的な「柿色」とは、

最も美味しい食べごろの柿の色で

鮮やかな濃いオレンジ色です。

 

しかし、一言に柿色といっても、

色付き始めから、熟すまで

その色の変化の数だけ

柿色も細やかに表現されています。

 

柿色としては、

熟した柿のような

濃い黄赤の「照柿色」(てりがきいろ)、

水で洗ったようにくすんだ黄赤色の「洗柿」、

洗柿よりさらに薄い黄赤色の「洒落柿」、

それよりさらに薄い黄赤色の「薄柿

があります。

 

また“柿の色を表現する”という

意味合いではなく、

実際に柿渋(かきしぶ)で染めた

柿渋色」(かきしぶいろ)という

色名もあります。

 

ほかにも

歌舞伎の世界では、“成田屋”の茶色を

通称「団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)」

と呼びますが、

これも柿渋と紅柄(べにがら)で

染めたことから

「柿色」と呼ばれています。

 

もともと江戸時代以前は、

このように柿染の技法により作られた色を

「柿色」と呼んでいましたが、

いつの間にか、

柿自体の色の美しさを表現したものに

変わってきたようです。

 

現在では、

その両方をすべて含めて「柿色」と呼んでいます。

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季節を愛でる日本の伝統色より、秋を彩る実りと紅葉にまつわる5つの色

茜色(あかねいろ)

日本の歌でも慕われているように、

夕暮れ時に、真っ赤に染まった西の空を

「茜空」と呼びますね。

 

でも茜色って

あの空の赤から色名されたのでは

ないんですよ。

 

実は、茜色の名前の由来は

植物から来ているのです。

茜は藍と並んで

人類最古の染料植物なのです。

 

日本では古くから赤色を染めるために

山野に生息している茜草を

染料として使ってきました。

この茜草の黄赤色である細いひげ根により

黄味がかった深い赤色が染まるのです。

なので、茜草にちなんで深い赤色のことを

茜色と呼ぶようになりました。

茜色に照り映えるという意味の

 

あかねさす」という言葉は

万葉集でも枕詞として数多く使われています。

 

「あかねさす紫野行き標野行き

野守は見ずや君が袖振る」

(額田 王/万葉集)

 

季節を愛でる日本の伝統色より、秋を彩る実りと紅葉にまつわる5つの色

枯色・枯野色や朽葉色

秋の訪れとともに、

木々の緑が赤や黄色に色を変えていく、

その様子を表した色名として、

枯色」や「枯野色」があります。

 

これらは

枯れた草木の、渋い黄色を表したものです。

 

また朽葉色は、平安時代より

朽ち葉四十八色」と言われるほど、

感性豊かな色の表現が残っています。

赤朽葉黄朽葉濃朽葉淡朽葉など、

日本人の繊細な感受性がうかがえますね。

 

季節を愛でる日本の伝統色より、秋を彩る実りと紅葉にまつわる5つの色

竜胆色(りんどういろ)

竜胆は、秋になると、

青紫色の鐘状の花を咲かせます。

その花のような、やや渋い青紫色

竜胆色と呼んでいます。

 

そのつつまし気な花は

日本人に古くから愛され、

色名も平安時代より使われてきました。

清少納言もお気に入りの花として

『枕草子』に読んでいます。

 

ところで

可憐な花には似つかわしくない

ちょっと怖いイメージの

竜胆というの花名の由来ですが、

とても苦い根が

竜の胆」に例えられたことに

よるようです。

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季節を愛でる日本の伝統色より、秋を彩る実りと紅葉にまつわる5つの色

まとめ

私たちは日々の忙しさに紛れて

変わりゆく季節にさえ気づかず

過ごしてないでしょうか。

 

でも、ちょっと顔を上げてみて!

 

秋の澄んだ空気を深呼吸したら

心がすーっと落ち着いていきます。

公園のベンチの座って落ち葉の彩に包まれたら

自然ってきれいだなぁって

素直に思えます。

 

やっぱ、色彩豊かな日本の秋、

移りゆく季節を満喫できるって

幸せですね。

 

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